家族間のトラブルを防止する工夫があれば、二世帯住宅は快適に暮らせます。敷地面積を有効活用して注文住宅を新築するときは、延床面積に含ませなくても良いスペースにも注目しながら、間取りを設計しましょう。
二世帯住宅は、快適に二世帯が同居するために、お互いに干渉し過ぎないで済むような配置も重要です。親世帯が利用する空間と、子供夫婦世帯が利用する空間を最初から分けてしまうのも良い方法です。限られた面積では、同じ間取りを二つ施工するのは困難ですが、子供夫婦世帯が有効活用できる中二階構造を取り入れたり、収納性を高められる和室の床下収納を設置すると、延床面積から想像される暮らしよりも快適な空間に仕上がります。
中二階構造は、一階と二階との間に、高さが140センチメートル未満のスペースを設計するスタイルです。高さが140センチメートル未満ですから、大人が暮らすのは困難ですが、子供部屋として利用するのに最適なタイミングがあります。子供が成長する過程で、中二階構造の空間を子供部屋として活用し、子供が成長して身長が伸びてきたら収納空間に変更すると良いでしょう。収納空間として利用するときも、頭を屈めて歩くようになりますので、タイヤ付きの移動椅子を活用して、座りながら移動と作業ができるようにしておくと安全です。車椅子で作業をするイメージになりますので、立ち上がらないように心がけていれば両親も含めて大人でも利用しやすくなります。
注文住宅を選べば、中二階構造を設計できる確率は高くなります。中二階構造は床面積計算と重量計算が重要になります。法律上は延床面積に加えなくても良いスペースなのですが、床の施工による重量は増えていますので、充分に支えられる強度が一階の基礎と土台に必要になります。基礎と土台の強度を確保し、柱と梁の構造で支えるように注文住宅を新築すれば、安全な中二階構造に仕上げられます。
椅子での作業を前提にする場合は、きちんと工務店にも伝えましょう。中二階構造の間取りは、施工事例が豊富でも、実際の利用状況まで把握していない工務店も少なくありません。椅子で作業するには、中二階の床板も固めに施工したほうが良いです。収納スペースだからと、薄い合板で仕上げてしまう施工事例もありますし、薄い合板で仕上げたほうが軽量になるので重量計算しやすいからです。注文住宅は個性的に利用して良い住まいです。中二階構造の床板も、しっかりと施工してもらいましょう。